2010年05月20日

被害者なのに…責任追及の矢面に(産経新聞)

【風・新型インフル】(2)

 「高校生が新型インフルエンザに集団感染したらしい。すぐ走ってくれ」

 昨年5月16日夕、筆者の携帯電話に、社会部デスクの声が響いた。大阪府茨木市の私立高校で約100人が症状を訴え、9人が感染濃厚という。福井支局から大阪本社の社会部に異動してまだ2週間。「いきなり新型インフルエンザとは…」と身が引き締まった。

 その日は深夜まで、茨木市役所で対策会議の様子を取材。翌朝、当該高校に行くと、大勢の記者が集まっていた。みんなマスク姿。「異様な光景だなあ」と思ったが、ふと筆者だけマスクを着けていないことに気付いた。慌てて近くのコンビニに行ったが、すでに売り切れ。店員に聞くと、報道された直後から、急にマスクを買い求める人が殺到したという。

 やむなくマスクなしで取材を始めたが、くしゃみが出るたびに周囲から白い目で見られた。「これは花粉症なのに…」。身の縮まる思いだった。

 この学校では、関係者は特にマスクの着用を徹底し、拡大を防ごうと懸命だった。それでも学校には「感染を隠していたんじゃないのか」「日本中に死人を出すつもりか」など、心ない中傷の電話が相次いだという。

 学校関係者は、感染対策だけでなく「世間の目」も気にしなければならなかった。「生徒や保護者、社会に対してひたすら申し訳ありません」。教頭が何度も謝罪の言葉を述べる姿が痛々しかった。

 「日本中で水際対策が叫ばれていた中、本校の生徒が大量感染した。ふと頭に浮かんだのは、エボラ出血熱などの(激烈な)伝染病。最悪の場合、国中の人が次々と倒れる事態まで考えた」と教頭は振り返る。とにかく、治療法や対応策が分からず、不安ばかりだったという。

 被害者であるはずの感染者が、なぜか責任追及の矢面に立たされた。それは、見えないウイルスに対する社会全体の不安の裏返しだったのだろうか。

 さて、皆さんは当時、新型インフルエンザという“新しい脅威”をどのようにとらえ、向き合っていただろうか。ご意見をお待ちしています。(伊)

Eメール Kaze@sankei.co.jp FAX 06−6633−1940 郵送 〒556−8661(住所不要)産経新聞社会部「風」 お便りには、ご自身の電話番号、年齢を明記してください

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posted by マシコ トシアキ at 15:48| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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